富山県の将棋界情報をお届します。富山棋界以外でも近県の情報や将棋に関する色んな情報も書いていきます。
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2018年 09月 05日 ( 1 )

伝説の「富山県棋界最強棋士」 (2)

「伝説の『富山県棋界最強棋士』」の第2回です。


施設に入るとまず、数十人の入居者に、これ以上は無いというくらいの熱い視線を一斉に浴びせられた。今で言うところの「ガン見」である。「誰かの孫が来たんかと思っとらかな?しかし、ここまで見るか・・・?」そう思いながら、施設の方に案内された30人程の入居者がいる大広間に着くと、既に甚四郎さんが将棋盤を出して待っておられた。「初めまして、村上さんに連絡していただいた桶屋です。」「ああ、来られたけ。じゃ、さっそく始めるけ。」そう言った甚四郎さんは駒を並べる前に、横にいたお弟子さんらしき人(以下お弟子さんに統一)に小銭を渡し、買い出しに行かせた。駒を並べ始めると、先日の大会では気付いてなかったが、「屋久島の縄文杉」よろしく、指の皮がぼろぼろになっていることに驚かされた。「これだけすごい手の人と指すのも初めてやな。しかし痛そうやな・・・。」駒を並べ終えたところで、ちょうどお弟子さんが戻ってきて、甚四郎さんにタバコとお釣りを、そして私にはコーヒー牛乳を渡してくれた。「えっ、これは?」戸惑う私に甚四郎さんは、「遠慮せんと、飲まれ。」と言われた。「あっ、ありがとうございます。(割といい人じゃないか・・・)」先日の第一印象でかなり和らいでいたとは言え、数々のブラック話からまだ相当警戒していた緊張感もここでかなり解け、頂いたコーヒー牛乳を一口飲んだところで、甚四郎さんと私の「記念すべき第1局」が始まった・・・。勝負の結果は私の勝ち。「記念すべき第1局」だったのに残念ながら棋譜は不明で、今となってはその時の勝敗と、ぼろぼろになった甚四郎さんの指、加えて、頂いたコーヒー牛乳のこと位しか、よく覚えてはいない。その後、入居者の夕食時刻まで数番指し、別れ際に一言、甚四郎さんが言った。「先生、奥が強いねえ・・・。」1日を通して、その日初めて甚四郎さんに二人称で呼ばれたのだが、初対面で私の職業(当時教員)のことは全く知らないはず。どうやら、こちらの力を認めて、「先生」と言ってくれたようである。また、古典詰将棋を通して知識としては知っていた「終盤」の同義語である「奥」という言葉をごく自然に使う人物を初めて見たので、マニアック的にも、大変うれしく思った。このようにして、本来、「先生」と「桶屋君」であるはずの年齢差約60歳の二人の、「甚四郎さん」・「先生」と呼び合いながら、その関係を深めていく日々がスタートしたのである。

一体何番指したことであろう。20代半ばで、まだまだ遊びたい盛り。したいことや興味も多方面にある中、それからというもの、私は土日どちらかの休日には必ず、例の老人福祉施設へと足を運んでいた。2回目の訪問からは、より静かな環境で将棋を指すための配慮なのか、甚四郎さんの部屋に通されるようになった。以下の定跡手順としては、まず始めにお弟子さん(数名いて交代制)が遣いに出され、甚四郎さんにタバコとお釣りを、そして私に飲み物(コーヒー牛乳オンリーでなく、缶コーヒー、ヤクルト等、いろいろな変化があった)を渡して退出。その後、対局開始。途中、定時にお弟子さんが飲み物をもって来てしばらく観戦しているが、それ以外はずっと閉ざされた二人だけの空間の中、昼過ぎから終了予定の夕食時刻までただただ将棋を指し続けた。(チェスクロック不使用)対局はいつも好勝負であった。100メートル走に例えると、まず30メートル辺りまでは並走。だが、中盤で異様な力を発揮してくる甚四郎さんが、そこからリードを奪う展開に。しかし何と言ってもこちらには、「詰むや詰まざるや」で鍛えて頂いた伊藤宗看・看寿の両先生が味方についている。後方からまくりをかけ、90~95メートル地点で並んだ後、そのまま一気に抜き去りゴールというパターンが多かった。感想戦はいつも、甚四郎さんの締めの一言で手短に終わった。「先生、奥が強いねえ・・・。」そりゃそうだ。当時の私は伊藤門下を自負しており、今と違って「それなりに時間さえあれば、俺に解けぬ詰め将棋など、この世には存在しない。」と言い放つなど自信満々。なおかつ実際にそれを実行していた時期の真っ盛りなのである。ところが、そんな自分を相手に、齢85を過ぎながらも、いつもぎりぎりの勝負をしてくる甚四郎さんの「化けもん」ぶりに、指せば指すほど将棋の深さ、そして相手の強さを感じさせられた。

そんなある日のことである。その日の対局では、例によって100メートル走に例えると、これまでの展開とは違い、50~60メートル地点では既にこちらがリードを奪い、そのまま差をつけながらゴールするという将棋が多かった。「やっと甚四郎さんの中盤に対する指し方のコツが分かってきたわ。終盤になったこの将棋もいただき!」勢いを増してきた数局目の終盤戦のこと。私は得意気に指をしならせながら、自信満々敵陣2一の地点に飛車を成った。それに対して甚四郎さんが、待ってましたとばかりに珍しくノータイムで次の一手を放ってきた。

「パッシーン・・・」未だかつて見たこともなく優雅で、なおかつ非常に妖しい手つきで4二の地点にいた玉を5三の地点に上がってきたのである。

「なんじゃそりゃ?そんな手あるわけないやろ。」一瞬も考えていなかった意外な一手を指され、半ばあきれながらも私はトドメの一手を読み始めた。5分後→「フーン。玉の早逃げなんとやらで意外と寄らんもんやな。でも、なんかあるやろ。なめとらんと、腰落としてちゃんと読むか・・・。」15分後→「おかしい。寄りが全く見えん。どうすんだよ?」30分後→「寄りないどころかよく見たら、いつの間にか、鉄壁のはずのこっちの方がやばくなっとんにかよ。これじゃあ一手どころか本当に『玉の早逃げ八手の得』やにかよ。一体、どういうことよ???」解析不能でフリーズし、次の一手が全く見えないまま、この数手前に甚四郎さんが不可解な長考をしていた意味をようやく知るに至る。「あの局面からこの手を読んでいたのか・・・」気付いた瞬間、なぜか背筋がぞっとした。相手の力量を見切ったつもりが、実はこっちが見切られていたのである。これまで散々打たせるだけ打たせた挙げ句の果て、いつの間にか、こちらの終盤力は甚四郎さんにほぼ吸収されつくしていたことを悟る・・・。先ほど着手された瞬間の映像が頭の中で何回も反芻される。

「パッシーン・・・」未だかつて見たこともなく優雅で、なおかつ非常に妖しい手つきで放たれた「魂の一手」を見つめながら、私は本能的に感じる身の危険におののいていた。「こ、この人と将棋を指していたら・・・」

フリーズしたまま、いつしか私は手を読むのを止め、この恐怖感がいったいどこから湧き上がってくるのかを必死に探っていた。ここからしばらくは、私の内的世界を例え話で述べることにする・・・。

確かに先ほどまでは互いに竹刀で打ち合う勝負をしていたはずなのだが、ふと目を見やると、いつの間にか甚四郎さんが手にしているのは、妖しく光る真剣。そんな甚四郎さんが、話に聞いていた琥珀色の目で睨みながら、いつもの一歩あたり10~15センチの歩幅で、こちらに少しずつ近づいてくる。身の危険を感じる理由はこれで分かった。こっちが竹刀で、あっちは真剣。やばい、とにかくやばい。いったいどうすりゃいいんだ・・・。後ずさりしてはみたものの、これ以上後ろは断崖絶壁。もはやこれまでかと観念した瞬間、気が付くと私は「伊藤」と銘の入った一本の真剣を手にしていた・・・。

それからというもの、「修羅場」と化した二人の対局は、近づきがたく重苦しい雰囲気が醸し出されるようになり、定時にやってくるお弟子さん達ですら、差し入れを渡す手が震え、これまでのようにしばらく観戦することもなく逃げるよう足早に去っていくようになった。二人の対局は、甚四郎さんと私にとって、いや、少なくとも私の内的世界においては、真剣を手にしての壮絶な斬り合いの場に変容してしまったのである・・・。まず対局が始まると、相手に対して一分の隙も与えないよう、互いに間合いをはかりながらゆっくりと、そして少しずつ近づいていく。安易な攻撃は絶対に仕掛けない。しかしある刹那を境に、一気に斬り合いが始まる。伊藤門下を自負しながらも、自分がこれまで何のために、誰と戦うために終盤力を磨き上げてきたのか、その意味がようやく分かった。斬って斬られ、斬って斬られ、斬って斬られて、斬られて斬って・・・とにかく、どちらかがぶっ倒れるまで、二人はただひたすらに斬り合いを重ねた。しかし、「肉を切らせて骨を断つ」の言葉通り、互いに真剣で斬り合って無傷で済む訳がない。激闘を重ねる日々の中で、「大切な何か」がズタズタに切り刻まれていくことを二人ははっきりと感じていた。壮絶な休日のシュールな斬り合い、穏やかな平日のリアルな暮らし、その往復の中、二人は坂道を転げ落ちるように互いの心身を疲弊させていった・・・。


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by elijahmadnar | 2018-09-05 00:06 | その他 | Trackback | Comments(0)